本文へ移動

スクリーン印刷コラム(56)

~スクリーン印刷のインキとは~

もし、あなたがインキメーカーの方であれば読んでいて退屈してしまうかもしれません。
今回のコラムはこれからスクリーン印刷を始める方へのアドバイスだからです。

さて、当社には様々な分野のお客様が印刷テストに来社されますが、
中には印刷は全く初めての方、これからインキを作ってみたいと考えている方もいらっしゃいます。
インキといっても色々あり、水の様にサラサラだったり、ハチミツの様に粘りがあったりしますが、
どんなインキがスクリーン印刷に使えるのでしょうか。簡単に判断するには次の方法があります。
まず、インキの入っている容器にスプーンを入れてインキをすくい取ります。
そして、スプーンを裏返したとき、インキがゆっくり垂れ落ちるくらいの粘りがあれば印刷できるでしょう。

次に、インキに混合する溶剤はどんな物が良いでしょうか。
よくアルコールや水などはどうか?と聞かれるので選定理由を聞くと、
「インキの乾燥を早くしたい」「沸点が常温より上昇すると乾燥しない」という回答が多いです。
しかし、沸点が100℃位の溶剤ではインキの乾燥が早すぎて、
スクリーン版上で乾いてしまい印刷が出来ません。もっと沸点が高い方が良いです。

乾燥し難くスクリーン印刷に適した溶剤の例として、
イソホロンやテレピネオールなどがありますが、これらの溶剤の沸点は215℃~217℃。
乾燥が早いけれど何とかスクリーン印刷出来る溶剤の例として、
シクロヘキサノンやキシレンなどがありますが、これらの溶剤の沸点は144℃~155℃。
乾燥が早すぎてスクリーン印刷に適さない溶剤の例として、
メチルエチルケトンなどがありますが、これら溶剤の沸点は約80℃です。
以上の例からもお解りの通り、
スクリーン印刷用インキを作るには沸点が200℃付近の溶剤を使うと良いでしょう。

沸点200℃の溶剤を使用してインキが乾燥するか心配するかもしれません。
しかし、沸点と蒸発は違うので安心してください。
イソホロンやテレピネオールで作ったインキでも120℃位のオーブンでしっかり乾燥しますので。
ニューロング精密工業株式会社
〒141-0022
東京都品川区東五反田3丁目21番5号
TEL.03-3473-1155
FAX.03-3473-5055
TOPへ戻る