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スクリーン印刷コラム(36)

~桜をパッと咲かせますか?~

当社では、スクリーン印刷の研修に「桜」を印刷します。研修生は綺麗な桜を咲かせることを競います。
実は桜を印刷することはスクリーン印刷の色々な基礎技術を勉強できる良い方法なのです。

カラー写真をスクリーン印刷するためには、カラー分解ということをします。これは、カラー写真の色をY(黄色(Yellow))、M(赤紫(magenta))、C(青緑(cyan))の色三原色に分解します。印刷色はこの三原色を混ぜ合わせることで全て表現することが可能です。ただし、明暗は十分ではないのでこれに加えて黒を印刷します。
各色と黒の濃さはドットの大きさで調整しますので、小さなドットで構成された版を4版作ります。これを重ね印刷することでカラー写真を作ります。

この印刷はスクリーン印刷の基礎ができていないと上手くできません。
まず、スキージの条件が悪く、印刷膜厚がバラつくと3原色のバランスが崩れて桜の花が綺麗になりません。重ね印刷の精度が悪いと3原色が合わないために、これも桜の花が綺麗になりません。インクを間違えとしまうと、桜ではなくなってしまいます。そして、ワークの乾燥条件を間違えると寸法変化が発生して印刷の重ねがズレてしまいます。

この印刷の場合、これらのミスがわかるのは全ての印刷を終わった後になります。これは綺麗な桜色が出るのが4つの版が全てぴったり合った時だからです。
他の印刷ではなかなかこの様にはなりません。例えば、簡単な電気回路を印刷したとします。電気回路の場合、多少見た目が悪くても電気が流れれば良品となってしまいます。印刷条件に多少問題があっても気が付かないことがあります。ところが、「桜印刷」では全ての条件が揃って初めて綺麗な花が咲くのです。

あなたは、「パッと綺麗な桜」を咲かせますか?
ニューロング精密工業株式会社
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